お仏壇のよくある質問
お仏壇の選び方や日常のお手入れ方法など、多くのお客様から寄せられるご質問にお答えしています。初めてのお仏壇購入で不安を感じている方や、長年お仏壇を大切にされている方まで、幅広い疑問に対応しています。
お仏壇の選び方や日常のお手入れ方法など、多くのお客様から寄せられるご質問にお答えしています。初めてのお仏壇購入で不安を感じている方や、長年お仏壇を大切にされている方まで、幅広い疑問に対応しています。
仏壇というものは、一流の職人たちが高度な技術でつくった伝統工芸品です。それゆえ専門的な目を持たない消費者にとって、ちょっと見たくらいでは、まず仏壇の違いはわからないでしょう。
仏壇は大きく分けて、金仏壇と唐木仏壇があります。
金仏壇の場合、高級品には塗装に漆を使っています。それに対して普通品にはカシューという塗料などを使っています。こうした違いは素人には全くわかりません。
また唐木仏壇の場合、使っている唐木(銘木と呼ばれる木目の美しい木材)の種類(黒檀や紫檀など)によって価値が異なります。
また唐木仏壇のほとんどが、黒檀や紫檀など高価な唐木を節約するために、他の種類の木を芯材に使い、その表面に5~7ミリメートルの板を張りつけています(練り工法という)。前面だけに張りつけてるものから、側面や後側まで張りつけてあるものがあり、値段もそれによって変わってきます。中にはツキ板といって、紙のように薄くスライスした唐木を張りつけているものや、唐木風の木目を印刷したものまであります。
ちょっと見ただけでは木目印刷の仏壇でも練り工法で手間をかけて作った仏壇と区別のつかないようなものもあります。
見た目があまり変わらないのならば安いもののほうがいいじゃないかという人もいるかもしれませんが、年数を経るとはがれたり、壊れたりするものもあるのです。
安いものを安い値段で、そのデメリットを納得して購入するのならばいいのですが、あとで予想もしなかったマイナス面がわかると、後悔をすることになってしまいす。
もちろん多くの仏壇店では、安い仏壇のデメリットを説明することはありません。一部の良心的な店だけしか、そこまで説明をしてくれるところはありません。
安い仏壇も、安い仏壇なりに、いいところもあります。だから安い仏壇を買うなというつもりはまったくありません。
ただ、安いといっても、数十万円はするものです。他のものに比べたら決して安いとはいえないでしょう。だから後悔の無いように、それぞれの仏壇のいいところ悪いところを知った上で、納得して、購入をしたいものです。
仏壇というのは、いったいいくらくらいのものを購入すればいいのでしょうか。
新しく家を建てた場合はその建設費の一割だとか、年収の一割といった基準をいう人もいます。しかし、これらはまったく俗説で、根拠のないものです。むしろ仏教の考え方からすれば、仏様を思う心があれば、どんな仏壇でもかまわないということのほうが正しいといえます。
ただそれでは、迷う人も多いと思いますので、どうやって自分の買う仏壇の値段の目安を見つけたらいいかを次に示します。
1.自分はどの程度の仏壇を必要としているのか
一般に仏壇は価格が高いものほど美しく荘厳な姿をしており、長持ちもします。仏壇店に並んだ仏壇をよく見てどのような姿の仏壇が欲しいかと、その仏壇をどのくらいの年月使いたいかなどを考えれば、必要とする仏壇の金額の目安がでてくるでしょう。
2.その上で、自分の経済状態に見合う金額を考える
年収などとの比較で、仏壇購入のために、どのくらいの金額を出すことが可能かは個人差があります。それを十分考えて、無理のない金額はいくらかということを検討する。
高価な仏壇というものは、たしかに値段に見合うだけの価値を持っています。美しい仏壇は、仏前に座ったときに、ほんとうに心をやすらかにしてくれます。また長い間使っても、傷んで壊れることもないので、買い替えの必要がありません。
だからといって、どんな場合でも、高価な仏壇を買うことがいいというわけではありません。
例えば、今あまりお金がないから安い仏壇を買って、何年かして余裕ができたときに買いなおそうと考える人がいたとします。これは確かに長い目で見たらソンな買い方です。しかしその時の選択としては、ベストの選択だったと思います。
「心が大切ですから」と仏壇店でいわれると、たくさんお金を出す心が大切なのかと錯覚してしまうこともあります。そうではなくて、心さえあればどんな仏壇でもいいということです。
1.2.にあげたようなことを目安に、自分が納得して選んだ仏壇ならば、買ってから後悔することは絶対にないでしょう。
お仏壇を購入する時、まず気になるのが値段ではないでしょうか。お仏壇の値段は、一目見ただけでは全くわかりません。具体的に何が値段の差をつくっているのでしょう。
それは「どんな材料を使っているか」「完成までにどれだけ手間をかけているか」。この2点が値段を決めているといってよいでしょう。
1.どんな材料を使っているか
お仏壇には、大まかに分けて金仏壇と唐木仏壇とがあります。
金仏壇の場合、重要なのが漆と金箔です。漆は国産か外国産かで品質が異なりますし、漆に似せた別の塗料を使っている場合もあります。また、金箔は純度によって値段に相当影響が出ます。
唐木仏壇の場合、素材の木に何を使っているかが重要です。唐木仏壇の美しさは、唐木と呼ばれる材木の色や木目が、いかに美しいかで決まります。使われる唐木のほとんどは、高価なもので、特に上等なものの代表としては黒檀と紫檀ですが、黄王檀(黄金檀)や黒柿も高級品とされています。和木が使われている場合もあり、屋久杉や桑なども高級品とされています。
2.どれだけ手間をかけているか
材料と同様にお仏壇の価値を決めているのが、どれだけ優れた技術で、どれだけ手間をかけて作られているか、ということです。お仏壇はきわめて高度な技術によって作られる伝統工芸品です。お仏壇を作るには、普通、数人の職人がかかわっています。最近は工業的に生産されることも多くなってきましたが、それでも職人の技術なしにお仏壇を作ることはできません。
まず、金仏壇の場合、漆と金箔が重要な作業になります。漆を塗るということは、高度な技術が必要なだけでなく、気温や湿度といった天候にも塗り具合が左右されてしまいます。また、少しでも技術が未熟だと、漆が垂れて跡が残ってしまったり、色むらができたり、はがれたりします。金箔については、金の純度がどのくらいかということに加えて、厚さも問題になります。厚いほうから三枚掛、二枚掛、一枚掛とあり、厚いもののほうが高価になります。
次に唐木仏壇の場合、練り工法と呼ばれる工法によって価格に差が生じます。唐木仏壇は、実際には目に見えるところだけに唐木が使われているものが多いようです。芯材の表面に、5~7ミリメートルにスライスした唐木の板を張りつけるのです。この作業を「練り工法」といいます。前練り、二方練り、三方練り、四方練りとあり、どれだけ唐木を使っているかによって、値段が変わっていくのです。また、紙くらいの薄さにスライスした「ツキ板」と呼ばれる唐木を、木材の表面に張りつけた工法によるものや、木目を印刷したり、木目の印刷されたビニール・シートを張りつけたものなどもあります。
これらの技術の他に、組み立ての際にきちんとホゾを組んで組み立てているか、接着剤を使って組み立てているか、彫刻や蒔絵などの細工にどれくらい手間をかけているかによって値段は変わってきます。
お仏壇選びには値段も大切かもしれませんが、実際にこれらの条件を覚えておいて見極めるのは大変です。そこで最低限、気をつけてもらいたいのが「信頼できる仏壇店かどうか」です。
営利主義に走らず、消費者の立場に立って考えてくれる店員がいるかどうか。消費者がなぜ仏壇を必要としているか、予算はどのくらいか、家の様子はどんな感じかなどの情報をもとに、真剣に探してくれる店こそ、信頼のおける店ではないでしょうか。お仏壇を買ったら、その仏壇店とは一生のつき合いになります。アフターサービスも必要になりますので、なおさら信頼できる店を選びたいものです。