よくある質問のイメージ

よくある質問

お仏壇や墓石、霊園、仏事に関する疑問や不安を解消するために、「よくある質問」をまとめました。初めてお仏壇や墓石を購入される方や、法要についてお悩みの方に、わかりやすくお答えしています。

仏壇というものは、一流の職人たちが高度な技術でつくった伝統工芸品です。それゆえ専門的な目を持たない消費者にとって、ちょっと見たくらいでは、まず仏壇の違いはわからないでしょう。
仏壇は大きく分けて、金仏壇と唐木仏壇があります。
金仏壇の場合、高級品には塗装に漆を使っています。それに対して普通品にはカシューという塗料などを使っています。こうした違いは素人には全くわかりません。
また唐木仏壇の場合、使っている唐木(銘木と呼ばれる木目の美しい木材)の種類(黒檀や紫檀など)によって価値が異なります。
また唐木仏壇のほとんどが、黒檀や紫檀など高価な唐木を節約するために、他の種類の木を芯材に使い、その表面に5~7ミリメートルの板を張りつけています(練り工法という)。前面だけに張りつけてるものから、側面や後側まで張りつけてあるものがあり、値段もそれによって変わってきます。中にはツキ板といって、紙のように薄くスライスした唐木を張りつけているものや、唐木風の木目を印刷したものまであります。
ちょっと見ただけでは木目印刷の仏壇でも練り工法で手間をかけて作った仏壇と区別のつかないようなものもあります。
見た目があまり変わらないのならば安いもののほうがいいじゃないかという人もいるかもしれませんが、年数を経るとはがれたり、壊れたりするものもあるのです。
安いものを安い値段で、そのデメリットを納得して購入するのならばいいのですが、あとで予想もしなかったマイナス面がわかると、後悔をすることになってしまいす。
もちろん多くの仏壇店では、安い仏壇のデメリットを説明することはありません。一部の良心的な店だけしか、そこまで説明をしてくれるところはありません。
安い仏壇も、安い仏壇なりに、いいところもあります。だから安い仏壇を買うなというつもりはまったくありません。
ただ、安いといっても、数十万円はするものです。他のものに比べたら決して安いとはいえないでしょう。だから後悔の無いように、それぞれの仏壇のいいところ悪いところを知った上で、納得して、購入をしたいものです。

仏壇というのは、いったいいくらくらいのものを購入すればいいのでしょうか。
新しく家を建てた場合はその建設費の一割だとか、年収の一割といった基準をいう人もいます。しかし、これらはまったく俗説で、根拠のないものです。むしろ仏教の考え方からすれば、仏様を思う心があれば、どんな仏壇でもかまわないということのほうが正しいといえます。
ただそれでは、迷う人も多いと思いますので、どうやって自分の買う仏壇の値段の目安を見つけたらいいかを次に示します。

1.自分はどの程度の仏壇を必要としているのか
一般に仏壇は価格が高いものほど美しく荘厳な姿をしており、長持ちもします。仏壇店に並んだ仏壇をよく見てどのような姿の仏壇が欲しいかと、その仏壇をどのくらいの年月使いたいかなどを考えれば、必要とする仏壇の金額の目安がでてくるでしょう。

2.その上で、自分の経済状態に見合う金額を考える
年収などとの比較で、仏壇購入のために、どのくらいの金額を出すことが可能かは個人差があります。それを十分考えて、無理のない金額はいくらかということを検討する。
高価な仏壇というものは、たしかに値段に見合うだけの価値を持っています。美しい仏壇は、仏前に座ったときに、ほんとうに心をやすらかにしてくれます。また長い間使っても、傷んで壊れることもないので、買い替えの必要がありません。
だからといって、どんな場合でも、高価な仏壇を買うことがいいというわけではありません。
例えば、今あまりお金がないから安い仏壇を買って、何年かして余裕ができたときに買いなおそうと考える人がいたとします。これは確かに長い目で見たらソンな買い方です。しかしその時の選択としては、ベストの選択だったと思います。
「心が大切ですから」と仏壇店でいわれると、たくさんお金を出す心が大切なのかと錯覚してしまうこともあります。そうではなくて、心さえあればどんな仏壇でもいいということです。

1.2.にあげたようなことを目安に、自分が納得して選んだ仏壇ならば、買ってから後悔することは絶対にないでしょう。

お仏壇を購入する時、まず気になるのが値段ではないでしょうか。お仏壇の値段は、一目見ただけでは全くわかりません。具体的に何が値段の差をつくっているのでしょう。
それは「どんな材料を使っているか」「完成までにどれだけ手間をかけているか」。この2点が値段を決めているといってよいでしょう。

1.どんな材料を使っているか
お仏壇には、大まかに分けて金仏壇と唐木仏壇とがあります。
金仏壇の場合、重要なのが漆と金箔です。漆は国産か外国産かで品質が異なりますし、漆に似せた別の塗料を使っている場合もあります。また、金箔は純度によって値段に相当影響が出ます。
唐木仏壇の場合、素材の木に何を使っているかが重要です。唐木仏壇の美しさは、唐木と呼ばれる材木の色や木目が、いかに美しいかで決まります。使われる唐木のほとんどは、高価なもので、特に上等なものの代表としては黒檀と紫檀ですが、黄王檀(黄金檀)や黒柿も高級品とされています。和木が使われている場合もあり、屋久杉や桑なども高級品とされています。

2.どれだけ手間をかけているか
材料と同様にお仏壇の価値を決めているのが、どれだけ優れた技術で、どれだけ手間をかけて作られているか、ということです。お仏壇はきわめて高度な技術によって作られる伝統工芸品です。お仏壇を作るには、普通、数人の職人がかかわっています。最近は工業的に生産されることも多くなってきましたが、それでも職人の技術なしにお仏壇を作ることはできません。
まず、金仏壇の場合、漆と金箔が重要な作業になります。漆を塗るということは、高度な技術が必要なだけでなく、気温や湿度といった天候にも塗り具合が左右されてしまいます。また、少しでも技術が未熟だと、漆が垂れて跡が残ってしまったり、色むらができたり、はがれたりします。金箔については、金の純度がどのくらいかということに加えて、厚さも問題になります。厚いほうから三枚掛、二枚掛、一枚掛とあり、厚いもののほうが高価になります。
次に唐木仏壇の場合、練り工法と呼ばれる工法によって価格に差が生じます。唐木仏壇は、実際には目に見えるところだけに唐木が使われているものが多いようです。芯材の表面に、5~7ミリメートルにスライスした唐木の板を張りつけるのです。この作業を「練り工法」といいます。前練り、二方練り、三方練り、四方練りとあり、どれだけ唐木を使っているかによって、値段が変わっていくのです。また、紙くらいの薄さにスライスした「ツキ板」と呼ばれる唐木を、木材の表面に張りつけた工法によるものや、木目を印刷したり、木目の印刷されたビニール・シートを張りつけたものなどもあります。
これらの技術の他に、組み立ての際にきちんとホゾを組んで組み立てているか、接着剤を使って組み立てているか、彫刻や蒔絵などの細工にどれくらい手間をかけているかによって値段は変わってきます。

お仏壇選びには値段も大切かもしれませんが、実際にこれらの条件を覚えておいて見極めるのは大変です。そこで最低限、気をつけてもらいたいのが「信頼できる仏壇店かどうか」です。
営利主義に走らず、消費者の立場に立って考えてくれる店員がいるかどうか。消費者がなぜ仏壇を必要としているか、予算はどのくらいか、家の様子はどんな感じかなどの情報をもとに、真剣に探してくれる店こそ、信頼のおける店ではないでしょうか。お仏壇を買ったら、その仏壇店とは一生のつき合いになります。アフターサービスも必要になりますので、なおさら信頼できる店を選びたいものです。

人々の考えや好みの多様化とともに、ニューデザインの墓石も登場するなど、墓石の形態も多様化してきました。墓石のいろいろを見てみます。

●和型墓石
江戸時代から広く使われている伝統的な墓石です。現在も日本の墓地の多くはこの和型です。一番上に家名などを彫る棹石、次いで上石台、中石台、そして一番下に芝石(下石台)といわれる敷石を置いた四段構造(和型四段構造)、あるいは敷石を置かない三段構造(和型三段構造)が基本構造です。
和型墓石が現在も日本のお墓で最もポピュラーであり、主流であるのは、見た目も安定感があって美しく、さらには昔からのお墓という親しみやすさがあるからでしょう。しかし時代とともに和型墓石も様々な加工が加えられ、最近は伝統的な外観ながらも充実感のある造りになってきています。

●洋型墓石
見た目がモダンです。しかもお墓としての格調も損なわず、また外柵工事の必要もなく、墓地が有効に利用できるメリットもあるため、最近増えているようです。石材店の店頭でもよく見かけるようになりました。
ひとことで言えば、ガーデニング霊園や西洋風霊園の出現によって登場した墓石 です。芝生の敷き詰められた墓域に造られることから、芝型のお墓とも呼ばれます。オルガン型と呼ぶ人もいます。このほかストレート型、さらにはアメリカでよく見かけるプレート型などがあります。
洋型墓石に家名ではなく、「愛」とか「倶会一処」といった自分の好きな文字を彫ったり、レリーフをほどこす人たちもいます。それがよく似合うのも洋型墓石の特徴のひとつです。

●ニューデザイン墓石
自由な発想で、個性を前面に出したモニュメントのような墓石も目につくようになりました。将棋が好きだったということから将棋盤の形をしたお墓、オートバイの形のお墓、お酒好きだった故人を偲んで徳利形のお墓も登場しています。故人の自然観や宇宙観を表現した形もあります。
ニューデザインの墓石が登場した背景には、人生の「総仕上げ」としてのお墓も自分らしくありたい、という強い思いがあるようです。「死後を含む自己決定権」という概念が、お墓の世界にも入ってきたといえます。

現在では墓地不足にみまわれ、首都圏に済む人の半数以上がお墓を持っていないというのが現状のようです。いつどんなことになっても慌てないために、普段から墓地入手の知識を得ることが大切です。

《墓地の種類》
昔は墓地というと生前住んでいた近所の寺院や村の共同墓地などが一般的でしたが、近年の急激な人口増加などのため、郊外に「〇〇霊園」という公園墓地の造成が増え始めています。墓地は経営や管理者によって運営に違いがあるので、その特徴に応じて、どのような墓地を選ぶか考えます。

●寺院墓地
お寺が管理・運営しています。葬儀や法事などに便利で、頼めばいつでも僧侶が読経し、供養してくれます。

●公営墓地
都道府県や市町村が管理・運営しています。宗旨を問わず、永代使用料も比較的安いので人気が高く、競争率も年々高くなっています。

●民営霊園墓地
経営主体は宗教法人や財団法人などですが、実際の管理は企業が行っている墓地です。広大な丘陵地帯を開発しているものが多く、非常にスケールが大きく、行楽を兼ねたお墓参りも出来ます。
また最近は、石のお墓だけでなく、納骨堂も増えているようです。以前は遺骨を墓地に埋葬するまでの一時的な保管場所でしたが、現在ではお墓としての機能も果たしています。室内にあることが多いので管理の点でも安心できます。

《墓地の使用規定(使用の条件)》
お墓の場所を決めたとしても、そこに入れるかどうかの厳しい規定があります。これを守らないと返還を求められることもありますので、注意しましょう。

●使用者の資格
宗派や居住地域に制限があったり、お墓の継承者(責任を持って供養・管理する親族)がある場合のみに限られることがあります。

●遺骨の制限
ほとんどの墓地では使用者の親族以外の使用ができません。将来、第三者の遺骨を埋葬することになる場合は、合祀できるか確認をとった方が良いでしょう。

●墓石の指定
民営霊園では墓石を購入する石材店が指定されている場合があります。

●墓地使用権の継承や譲渡
ほとんどの場合、使用権を相続人以外の第三者に譲渡することはできません。

《お墓を選ぶ》
●将来的にも安定した霊園を選ぶ
霊園業者のなかには営利を優先し、ずさんな造成を行っている所もあります。子々孫々まで受け継がれるものなので、安心して任せられる霊園を選びましょう。

●交通の便はいいか?
せっかくお墓を購入しても、遠方でなかなかお墓参りに行けないというのでは困ります。最低でも日帰りで行けるような場所が良いでしょう。

●墓地の環境を確認
騒音がないか、景観はいいか、自分の目で確かめたいものです。

●設備や管理の確認
水道やトイレがきれいか、駐車場や売店などの施設は十分かなど、お墓参りに必要な設備が整っているかチェックしましょう。
お墓は十分な時間をかけて慎重に選びたいものです。まずは霊園見学会などに何度も参加して、墓地選びの知識を多く得ておくことが大切ですね。

霊園に納める管理料というのは、特にことわりがないものの場合、墓地の中の通路や休憩所、墓地周辺や園内の植栽の手入れなどといった、霊園の公共の部分を維持・管理するための費用であり、個々のお墓や墓所を掃除してくれたりすためのものではありません。年忌法要などはもちろん、思い立った時にはいつでも先祖をたずね、お墓参りをしたいものです。あまり放ったらかしにしては、お墓が汚れてしまい見苦しいだけでなく、お墓に付着した苔やほこりにより、墓石の劣化を進行させる原因にもなります。お墓参りはできるだけ家族全員で出かけましょう。
お墓参りに必要な物は、線香、ロウソク、数珠、マッチ、供物や献花、手桶、ひしゃくなどです。また、お墓を掃除するために、たわし、ぞうきん、ほうきなどもあると便利でしょう。この中には寺院墓地や霊園で借りたり買ったりできるものもあります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。なお、墓所の掃除には、大きなビニール袋(ゴミ袋)が役に立ちます。
まず、墓地や墓石の掃除から始めます。雑草は抜き、落ち葉やゴミなどは取り除き、墓石は水をかけて丁寧にたわしで洗います。文字の部分は歯ブラシなどで磨くと、汚れはきれいに落ちます。墓石を洗い終わったら、また水をかけ、きれいな手拭いなどで水を拭きとりましょう。清掃の時に墓石のひび割れなどを見つけたら、すぐに石材店に知らせて、できればその後の対応なども相談しておくとよいでしょう。
墓所の清掃では、ゴミや木の葉、お水などをよその墓地や参道にかからないように気をつけましょう。枯れ葉などをよその墓地の前で焼いている光景を目にしますが、これも気をつけたいものです。また、お墓参りの後は、供物を必ず持ち帰りましょう。最近では墓地の方で義務づけている所が多くなっています。
壇那寺にお墓がある場合は、まず本堂に寄って本尊にお参りしましょう。また、故人のお墓だけでなく、周辺のお墓もお参りしたいものです。無縁墓は地方によってお墓参りの先か後か違いますので確認してください。墓地は神聖な場所です。自分の墓所だけでなく、周囲のお墓に迷惑がかからないように気をつけてお参りしましょう。

お墓を建てる時に「お墓を買う」と言いますが、正確には「永代使用権を買う」で、土地を所有する権利を買う訳ではありません。しかし、永代使用権は法律的に規定されている訳ではありませんので、内容や制度についてはそれぞれの契約によって異なります。
公営墓地の場合、条例に基づいた墓地使用規則が定められています。使用者の資格としては「○○市営墓地は○○市に住民票がある者しか使用できない」といった居住地の制限をはじめ、細かく定められている場合が多いようです。しかし公営墓地によっては、使用者の居住地も含め、全く条件を求めていない墓地もあるので注意しましょう。
民営墓地は制限が比較的少ない場合が多いのですが、それでも申し込み者に祭祀の継承者がいなかったり、申し込み者が外国籍であったり、法人での使用申し込みなどの特殊なケースだと「個々の事例に応じて、管理者が判断を行う」と断わりがなされていることが多いようです。
寺院墓地の場合は使用の際、原則として檀家にならねばならず、宗旨宗派による制度があります。
墓地の種類に関係なく言われる「制限」では、墓地ではお墓を建てる目的意外に使用することを禁じており、土葬を禁じているところや他人の遺骨(何親等以上遠いと他人とするか、墓地によっての違いはあるが)を埋葬できない、などがあります。
使用権については、第三者に譲渡したり贈与することはできません。ただし、墓地によっては管理者が承諾した上で、第三者に譲渡・贈与が可能な墓地もあります。一方、古くからある墓地では契約がない場合、習慣によって権利の内容が定められていることが多いので、内容をよく検討してください。古くからある墓地では、個人が住宅の敷地内に墓地があることもあります。この場合は使用権ではなく所有権を持っていることになります。もしも使用規則を違反したらどうなるのでしょうか。内容は霊園によって多少の違いはありますが、墓地の使用を取り消されることがあります。先にあげた使用者が譲渡・贈与したり、管理料を滞納した場合、使用者が行方不明になったり、墓地を本来の目的意外に使用した場合などです。違反事例が見つかったらすぐに使用を取り消し、ということはあまりなく、事前に注意や通告がなされるのが一般的ですが、それでも十分注意しましょう。契約の際には使用規則をよく読み、トラブルが起きないように心がけましょう。

今のお墓から別のお墓へ移すことを「改葬」といいます。理由として、故郷に両親が眠るお墓があるが、その地にはもう親類もおらず、遠隔地に住んでいるためにお墓参りができないという状況のときです。他にも、区画整理で墓地が移転しなくてはならない時や、改宗した時、分家をたてて分骨する場合などがあります。
改葬をするには、まず、新しいお墓を入手しなくてはなりません。そのお墓の管理者から、「受入先許可証」を発行してもらう必要があります。
次に元のお墓の管理者に改葬の事情を説明し、許可をもらいます。これは、そのお墓の中に移すべき遺骨が確かに埋葬されているという証明でもあるわけです。そして、元のお墓にある市区町村役場に改葬届を出し、「改葬許可証」を発行してもらいます。以上の許可証が揃ったら新しいお墓の管理者へ提出し、事務手続きは以上で終わります。
しかし、実際には円滑に運ぶとは限りません。元のお墓が寺院墓地にある場合は、壇那寺から改葬を拒否されることも少なくありません。理由は「今まで音信不通だったのに、急に来て改葬を依頼してきた」と、遺族としての姿勢に問題があるケースが多いようです。壇那寺への対応は、永年にわたって先祖を供養し、守ってもらったことへの感謝として、十分なお礼(本尊への回向料として)をすることが大切でしょう。
ともあれ、事務手続きが終わったら、壇那寺に改葬の日取りを報告します。新しいお墓へ移すための「御魂抜き」の儀式を行うためです。この日取りも、壇那寺の都合をよく聞いた上で決めるようにしましょう。骨壷を出すために墓石を動かす必要がありますから、日取りについては石材店にも連絡しておきましょう。
新しいお墓に遺骨を納め、僧侶を呼んで新しいお墓の「開眼供養」と「納骨供養」を営み、改葬が終了します。

年忌法要などはもちろん、思い立った時にはいつでも先祖をたずね、お墓参りをしたいものです。
お墓参りはできるだけ家族全員で出かけましょう。特に子どもには、できるだけ幼い頃からお墓参りの習慣を身につけさせることも大切です。服装は、お葬式と違ってあまりきまりはありません。かといって、派手すぎたり軽装すぎる服装は好ましくありませんので注意しましょう。お世話になっている僧侶や管理事務所の方に会うことも多いので、きちんとした身なりを心がけましょう。また、数珠は必ず持って行くようにします。
お墓参りに必要な物は、線香、ロウソク、数珠、マッチ、供物や献花、手桶、ひしゃくなどです。また、お墓を掃除するために、たわし、ぞうきん、ほうきなどもあると便利でしょう。この中には寺院墓地や霊園で借りたり買ったりできるものもあります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。なお、墓所の掃除には、大きなビニール袋(ゴミ袋)が役に立ちます。
墓所の清掃では、ゴミや木の葉、お水などを、よその墓地や参道にかからないように気をつけましょう。枯れ葉などをよその墓地の前で焼いている光景を目にしますが、これも気をつけたいものです。また、お墓参りの後は、供物を必ず持ち帰りましょう。最近では墓地の方で義務づけている所が多くなっています。
壇那寺にお墓がある場合は、まず本堂に寄って本尊にお参りしましょう。また、故人のお墓だけでなく、周辺のお墓や無縁墓もお参りしたいものです。無縁墓にお参りするのは地方によってお墓参りの先か後か違いますので確認してください。墓地は神聖な場所です。自分の墓所だけでなく、周囲のお墓に迷惑がかからないように気をつけてお参りしましょう。

1.法事とは
法事とは、仏教の行事のことを言いますが、普通は中陰供養・月忌供養・年忌供養など、追善供養や追善回向をするために営む仏事のことをいいます。追善供養とは故人のために後から追って善い事や福を捧げるという意味です。こうした法事を行うことで故人や先祖の霊が安らかにすごすことができるといわれているため、追善供養は欠かすことができません。また、自らの信仰、信心を高めていくことにもなります。法事は家族だけで営む小規模なものから、五十回忌、百回忌のような大規模なものまであります。

2.併修
同じ年に事なる年忌が重なり、年回の若い方の故人に合わせて2つ以上の法事をまとめて営むことを「併修」といいます。併修は同一年度内に限って認められるのが原則ですが、2、3年以内の年忌をまとめて行うこともあります。ただし、一周忌や三回忌は単独で営むべきです。

3.法事の準備
まず、法事を営む旨を壇那寺の住職に、遅くても1カ月前までには相談し、それから日時と場所を決めましょう。営む場所は自宅や壇那寺が一般的です。日程は故人の祥月命日が普通ですが、変更する場合は命日より早目に取り決めましょう。併修は、必ず年回の若い方の故人の命日に合わせて営みます。
参会者は、一周忌までは親族の他に、近親者、友人、知人など故人がお世話になった方を招きます。三回忌以降は親類縁者や身内が中心となります。案内や通知は電話連絡でも構いませんが、普通は葉書か封書を発送します。案内状には誰の何回忌の法事なのかということ、日時と場所、会食(お斎)の有無を明記します。
出席者の人数を確認できたら、引出物を用意します。参会者への引出物は、先祖からの心づくしという意味合いがあります。引出物の表書きは、黄白あるいは銀一色ののし紙に、上に「粗供養」「志」とし、下に施主の家名を、右肩に故人の戒名・法名と何回忌の供養かを筆で書きます。法事の後に会食の席を設ける場合は、料理店に日時、人数を事前に伝えておきましょう。
自宅で法事を行う場合は、お仏壇を掃除しておきます。また、年回にあたる精霊の塔婆を、お墓にたてることもありますので、お墓は法事の前日までにはきれいにしておきましょう。塔婆供養をする際は、早目に壇那寺に依頼しておくことが大切です。

法事に関しては、その規模を決めて予算を立てます。
まず、法事の規模によって、壇那寺の僧侶に来てもらいます。2人以上の僧侶を呼ぶ際には、その旨を壇那寺の住職に伝えておきましょう。また、参会者は、親戚を含めての縁故者に来てもらいます。一周忌の場合は友人、知人、葬儀の世話役なども招き、全部で20~30人くらいが一般的な規模とされています。
次に、法事を営む会場です。壇那寺の本堂や会館で営む場合、借りる際に会場の規定がありますので、よく確認しましょう。寺院で法事を行う時、一般的に本尊への供花と供物などが必要です。
お斎の費用としては、自家製か仕出しを頼む、または料亭に出かけるという方法があります。仏前に供える膳は精進料理でなくてはなりませんが、お斎は一般的には精進料理にこだわっていません。もしも料亭へ出向く場合は、移動費用も考慮して予算を立てる必要があります。都合によってはお斎を省略し、参会者に引出物と一緒に折り詰めを持って帰ってもらうこともあります。引出物は1世帯に1個ですが、故人の仏前と僧侶にも引出物は渡しますので、計算に入れるのを忘れないでください。
導師を勤めた僧侶には、「御布施」「御膳料」「御車料」を包みます。塔婆をたてる時には「御塔婆料」もまとめて渡しましょう。また、これとは別に法事の機会に、お世話になっている壇那寺に、仏具などの供養の品を贈ることも大切でしょう。なお、三十三回忌や五十回忌は、故人にとって霊が浄化され、先祖に昇華する大切な法事で、これから先は先祖の霊に融合していくとされています。ですから、永代供養のためにある程度のお金をおさめ、今後の供養をお願いしておきましょう。

1.迎え火と送り火
「迎え火」は、お盆の始まりの日の夕方に門や玄関の前、軒先などで焚く明りです。故人の精霊が家に帰ってくる時に道に迷わないようにとの願いから、陶器のおぼんや素焼きのほうろくなどにオガラ(麻の皮をはいだ茎)や白樺の皮、地方によっては藁を焚いて道標とします。墓地近くの家では、お墓参りをして、盆灯籠に火をつけてお迎えします。
迎え火を焚いた後は、その火を移してお灯明をともし、盆堤灯の明りをつけます。
お盆の終わりの日の夕方には「迎え火」を焚いた同じ場所で、「送り火」を焚き、合掌礼拝し、帰る道を照らして精霊を送ります。墓地近くの家では、お墓参りすることは迎え火の時と同じです。

2.精霊棚
宗派や地方によって多少異なりますが、お盆を迎えるにあたり、お仏壇の前に「精霊棚」を設けます。精霊棚とは、「盆棚」「霊棚」「魂祭り棚」ともいい、お仏壇の前に置いた小机にゴザを敷いて作った棚です。ゴザは、手前の方は床に垂らしておきましょう。餓鬼道世界で苦しんで力の衰えた精霊でも、よじ登ってこられるように、との配慮からです。
棚の四隅に青竹を柱として立てて、上に「真菰の綱」を張り、盆花を吊します。先祖の精霊は普段、山頂や原野にあって子孫を見守っている、と考えられていたので、盆花は山野の草花がお飾りに使われます。真菰の綱は、この中にご先祖の霊が来るというしきりを作るためです。そして、真菰の簾のところには本尊や先祖代々の位牌を安置し、その前に三具足、もしくは五具足などの供養のための仏具を整えます。霊前には、霊膳や盆花、野菜、果物、故人の好物を供え、キュウリにオガラを刺して作った馬、ナスにオガラを刺して作った牛などを飾ります。この馬と牛には、先祖の霊が馬に乗ってこの世に帰り、牛に乗ってあの世に戻る、という意味が込められています。
ただし、浄土真宗では、自分の善行や施物を死者に回向する「追善供養」の思想はありません。他界した人は阿弥陀如来の本願によって浄土に往生するという教義なので、迎え火、送り火、精霊棚などは行いません。

1.迎え火と送り火
精霊流し(灯籠流し)は、お盆のお供え物やお飾りをのせた精霊舟(灯籠舟)に火をともして、川や海に流す行事です。川は山に発し、海に流れてゆくからでしょうか、灯籠を流す地域もあります。これは「精霊送り」と「送り火」を一緒にしたものです。

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